成長過程において、最初の人間関係になる両親との関係性は心理学的に重要なものです。
一番最初の人間関係であり、人間関係の原型を学ぶことになるからです。
もし、あなたの人間関係や人生そのものがいい流れに乗って向上していかないのだとしたら、それは両親、または育ての親との人間関係の中で学んだものに問題やズレがあったと言えます。
きっとスピリチュアルなものを信じる人でない限り、「私たちは両親を選んで生まれてきた」と言われても納得できませんし、いわゆる親ガチャに外れたと感じる人も多いと思います。
もちろん、親とは言え、暴力や何らかの悪事に加担させられるなどの問題がある場合は、そこから逃げることが優先になりますが、実際に親と仲直りしなかったとしても、親に対して全面的な許しと感謝ができるところまで自分の感情を整理することができれば、人生の中で問題の元となる人間関係や仕事でのトラブルがなくなっていきやすいです。
両親の見直しポイント
基本的には大きい問題から順番に、小さい問題、気づきにくい問題を見直すことになります。
両親と仲が良い場合は①を飛ばして、進んでください。
- 仲違いや絶交のきっかけとなった事件や出来事の見直し
- 両親から自分がどう思われているかの見直し
- 両親に対して自分がどう思ってきたかの見直し
- 母親から見た父親、父親から見た母親の見直し
- 両親に対する性的な思いの見直し
これらを順番に時間をかけて見直していきます。
見直しのポイントとしては「出来事を通して親から何をされているように感じたか」を考えていきます。
腹立たしかったり、傷ついたり、本当は甘えたかったり、罪悪感を感じたり、さまざまです。
「もっと大切にしてほしかった」「私なんて大事じゃないんだとおもった」「馬鹿にされていると感じた」「もう怒るのはやめてよと感じた」「私を庇ってほしかった」「理不尽だと感じた」「お前には無理と言われているように感じた」「私には期待してないと感じた」「兄弟の方が大事にされていると感じた」など色々出てきます。
出来事の意味づけをしているのは、自分自身です。
何かあっても「偶然だろう」と楽観的に考えることもできるし、「悪意がある」と考えることもできます。
私たちは、心の状態が良くない時はネガティブにばかり考えてしまいますし、その時考えたことが必ず客観的に正しいわけではありません。
今までの出来事をゆっくり見直して、自分が感じていたこと、考えていたことは「それが真実ではなかったんだ」と気づくことができると必ず出来事の良い面が見つかります。
必ず出来事にはポジティブもネガティブもある
あなたが喜んで笑っている時を想像してみてください。
喜んでいるのなら、それはきっと何か良いことが起こったはずです。
愛されていると実感できたり
目標を達成したり
願っていたことが叶ったり
しかし、出来事は一瞬です。
ディズニーの物語のように「永遠に幸せに暮らしました」ということは起こらないのです。
もし、それが可能であるなら、何もない穏やかな毎日を幸せだと思える心がある人だけでしょう。
初めて自分の欲しかったものが買えた喜びは、その後、「当然のこと」になり、最初に感じた喜びのように高揚するものではなくなります。
同じ出来事でも、1度目、2度目と経験が増えることで感情が変化するように、1度目の出来事は2度目に同じ出来事が起こっても喜べなくなるというネガティブが存在していることになります。
逆に、あなたが怒ったり、怒られたりしたこと、何か問題に巻き込まれたこと、傷ついたこともすべて、自分の心の学びに繋がっています。
いくら想像しても、傷ついたことがない人には心の痛みはどうしたってわかりません。
痛みを知ったということは、悲しみの底を知ったということ。
だとすれば、幸せな時は、傷を知らない人よりももっと幸せに感じられるものです。
いろんな人の視点で、いろんなことに注目して
同じ出来事について、自分の視点、父親の視点、母親の視点、兄弟の視点、家族を知っている誰かの視点で見直してみましょう。
親にも必ず自分と同じように何らかの苦しみや悲しみがあったはずです。
そして、子供の頃はそんなことも理解せず、親が全能であるような錯覚の中で育っていることがほとんどです。
さらには、無意識的に子供は母親に贔屓しています。
なので、母親を悲しませる誰かが家族に居たとしたら、それが父親、兄弟、祖父母であったとしても、許せないと思って怒っていたり、悲しんでいたりします。
例えば、母親が父親にDVされていても、母親が逃げず、離婚もせずにいることを「可哀想だ」とあなたは思うかもしれませんが、母親は今の現状から逃げないという選択を同時にしています。
あなたがそのDVを庇い続けていても、母親に頼まれたわけでもない限り、それは母親が自ら選んでいるだけで、「母親も逃げようと思えばどうにかしてでも逃げられたはずなのにしなかった」という事実を見落として、父親に怒り続けていたり、母親に対しても怒っているのに気づいていなかったりします。
母親に傷ついてほしくないと思っているのに、母親に一番愛してほしいと思っているのに、その本人がボロボロになることを選択していたら、同じように自分自身も傷つくので、本当は母親に腹が立っていることもあるのです。
- 罪悪感
- 被害者意識
- バカにする
- 価値観の押し付け
- 価値観の否定
- 可哀想に思う
- 拒絶
- 恥ずかしさ
これらの感覚、感情が動いていると、どんなものであれ、自分を正当化しながら、親を責めていることがあります。
自分が傷ついているということは、本当は同じだけ両親も傷ついています。
もし、今、あなたが既に親の立場にいるなら、子供はあなたに対して、自分が自分の両親にモヤモヤと思っているだけ、傷ついたり怒っているでしょう。
価値観を否定して、親に怒っていたら、親は否定された分、不満を感じて怒るでしょうし、恥ずかしさを感じて自分を隠している分だけ、よそよそしさを感じて親もあなたを避けるでしょう。
あなたの心の中にあるネガティブな感情の起因となった出来事をもう一度よく見直してみてください。
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